チェックアウトを済ませて出発。フロント、広いな。
街の印象
長野市はどういう街なのか特色がいまいち掴みにくい印象を受ける。善光寺以外は普通の小規模な都会って感じ。
松本市では「山岳、学問、音楽の3ガク都」というテーマが打ち出されていて、すごく分かりやすかった。伝統的な手毬や家具等から、現代的なアートやクラフト等も盛んな民芸の街としての顔もあった。
2回目の善光寺は晴天
9時開館の美術館の前に、開館時間など無い隣の善光寺にもう一度寄ってみた。
やっぱり印象変わるなぁ!昨日は曇りや小雨だったけど晴れだとこうも変わるか。それに日曜午後の賑やかさと比べると朝は爽やかで静かだ。
横から撮った善光寺。めちゃくちゃ奥行きある。
長野県立美術館
東山魁夷館目当てで行ってきた。いや、めっちゃモダンでかっこいいですやん…。
こういうロッカーってだいたいザックが大きくて入らないんだけどぴったり入って嬉しかった。
別館の東山魁夷館へ続く渡り廊下。
東山魁夷展は6期に分けて展示されるらしく、今の時期は3期目。白馬のいる風景連作や、ヨーロッパを描いた絵が多めだった。
信州を多く訪れ、様々な場所をモチーフにした。
東山魁夷は3歳の頃に一家で神戸に移り住み、六甲の山々に親しんだ。美術学校1年の時に信州旅行へ行き、御嶽山に登った。軍隊に召集された熊本で終戦し、熊本城から見た阿蘇を眺めてその雄大さに心震わせ風景画家として開眼した。自然を求めて北欧4ヶ国に旅行し、その厳しく重い神秘性のなかにモチーフを見出し、「青の画家」としてののイメージが定着していった。また、京都の寺や自然を題材にした連作を制作した。神戸に京都、信州に阿蘇、それに北欧…。何だかすごく共感するなぁ、登山といい訪れる土地といい。その感性や生い立ちにすごく親近感を覚える。
1966年開館だけど老朽化に伴う建て替えに合わせて、なんと今年の4月に「ランドスケープ・ミュージアム」をコンセプトに生まれ変わったらしい。タイミングが良すぎるし、これほんとに改装とかじゃなくて生まれ変わったレベルの現代的な建築だ…。
3階は広場になっている。どこまでもモダンだ…。
カレーショップ山小屋
店なんて無いぞ…?と思ったら、すごく細い路地の先にあった。ラーメン山小屋という珍しい店名のカレー屋だ。
山小屋という店名通り、壁に飯盒炊さんの容器があったり、雑誌「山と渓谷」が置かれていたりした。
カレーに納豆って合うのか?と思いつつも、珍しいしイチオシメニューっぽいので注文。ジュースはグレープフルーツジュースを食前に。食後にアイスコーヒーを。
接客がとても良い。明るくて分かりやすい。
カレーと、目玉焼き・納豆・ライスが分けられて出てきた。カレーとライスが混ざらないようにする配慮だろう。納豆は一粒が大きめで私好みだ。ルーは一般的な欧風のビーフカレーで、スパイスの仄かな辛味があり唐辛子的な辛さは無い。牛肉が大きめで柔らかい。
目玉焼きの焼き方がとても上手い。白身が柔らかく、黄身が半熟なのに割っても中身が溶け出さないし、裏面も全く焦げていない。
らっきょと福神漬が自由に使えるのがありがたい。味と食感の気分転換になって良い。結構ボリュームがあった。納豆の影響か。
結論としては「カレーに納豆は合わないこともない」という何とも煮えきらないものになった。カレーは全てを受け入れるといわれる神の料理だが、それでも納豆という異質すぎる存在を飲み込むことは出来なかった…そんな印象だ。むしろカレーのスパイシーさを納豆のネバネバが打ち消してしまうような感じがした。
ヨーグルトアイスが美味しい。こういう先が尖ってないスプーンってなんか好きだ。それにアイスコーヒーにも合う。
メインの味は美味しいようなそうでもないような味だったがセット内容が充実していて店の雰囲気や接客も良かったので満足感は割と高い。
会計の時にどうして店名が山小屋なんですかと聞いたら、「初代店主がスキーヤーで、山好きの人が協力してこの店を作ったんですよ」と教えてくれた。今の店主さんは見た目30代の男性だが、3代目店主らしい。店に飾ってある木の枝は当時の人達が山から取ってきたものらしい。
午後はどうするか
ここからどうする?善光寺は2回も見たし、長野市街地は他に見たいところが無い。栗しか無さそうな小布施に行くのも…昨日来たばかりで役所に行くのも時期尚早な気がする。とはいえ体力も回復したし2日連続でホテルで寝転がるのは勿体なさすぎる。
他に近場で何か…戸隠神社に行くか?かなり有名な場所みたいだし。戸隠蕎麦も食べられる。長野駅からバスで1時間5分。12時半のバスで13時半に着いて、帰りの最終便は18時半…いける!かなりドタバタしたけど何とか乗車できた。
バスの中で
うう、美ヶ原でいつの間にかUSBケーブルを落としてしまったのが地味に痛い。モバイルバッテリーで充電できない。昨日家電量販店探して買えばよかった。もう充電が64%しかない。いや8時半から4時間使ってこの減り具合なら、節約しなくても最後まで持つはず。何だかんだ今まで旅行でスマホの充電が完全になくなったことって無いし。とりあえず今はSimpleNoteに頭の中に浮かんだ文章だけ打って、ホテルに帰ってから記事に写真と一緒にまとめよう。
河童と天狗
ふと河童や天狗のことが頭に浮かんだ。胡瓜には栄養が殆ど無いのに河童は栄養失調にならないんだろうか。いや、あくまで好物であってそれだけ食べているわけではないか。スイーツ好きの女子がスイーツだけ食べて生きている訳ではないように、河童も胡瓜だけ食べているわけではないんだろう。普通に魚とか。天狗は修験僧が闇落ちした成れの果てと聞いたことがあるけど、いったい山で何があったんだろう…。
戸隠神社
中社
バス停の目の前が鳥居ですぐ中社なのがアクセスしやすくて便利。
でっかい三叉の杉の大木。序盤から既に神聖な空気をビシビシ感じる。
知恵の神様で、試験合格、学業成就、商売繁盛の御神徳があるとか。
奥社へ
ここから40分ほど歩くと奥社に着くらしい。
随神門。屋根から植物が生えているのが年月を感じられる。
随神門の前後からこういった杉の大木が連なり始め、より神聖な空気が強くなった。
登り呼吸法、息を吐いて肺の中から空気を出すことにだけ集中すること。息を吸うのは体が勝手にやってくれる。ハーッと出してハッハッと吸う、これの繰り返し。
九頭龍社。戸隠の地主神で、五穀豊穣、雨乞い、縁結び、虫歯の神らしい。
奥社。戸隠神社の本社であり、開運と心願成就の御神徳がある。二拍手が思ったより大きな音が出て我ながらびっくりした。
戸隠そば
外にあるテーブルに座れた!微かに風がに吹いて涼しい。食前に温かい蕎麦茶を出してくれるのがとてもありがたい。しかもポット。
天ざるそばを注文。どうして頑なに鴨そばを頼まないのか、自分でも分からない。観光地かつ奥地なのに平地と値段が変わらないどころか、善光寺前の通りより安いとは、優良店だな…。
戸隠蕎麦のこの盛りつけ、上品で好き。歯切れがよくつるりとしている。香り控えめ喉越し重視という信州らしい蕎麦。松本で食べた蕎麦とはまた異なる気がするな。こちらの方がより信州の原点っぽい印象がする(あくまで印象だが)。海老の天ぷらが美味しい。ただ、天ぷらは全体的に熱々ではなかった。右下のは大根となめこを鰹節と何かであえたものだった。しかしこうして食べていると、信州蕎麦の滑らかさと出雲蕎麦の香り高さ、両方を兼ね備えた最強の蕎麦を食べたくなってくる。実現不可能だとは思うが…。
無事に戸隠蕎麦を食べられて良かった。営業時間が16時や17時までの店がちらほらあって助かる。ただ蕎麦店は蕎麦が無くなり次第終了するので、営業時間があまり当てには出来ず油断ならないところがある。
長野駅へ帰る
蕎麦を食べ終わって会計を済ませ、16時10分。16時17分のバスに乗って帰る。面白いようにジャストな時間だ。最初は18時半の最終便で帰ることになるかと思っていたけど、案外コンパクトに回れるちょうどいい神社だったな。奥社まではそれなりに歩いたから満足感もあるし。スマホのバッテリーも残り41%と余裕がある。
こうして10日間も長野で過ごすと、様々なことが分かってくる。行く前の自分と今の自分は全く異なっているだろう。漫画『BLEACH』には「憧れは理解から最も遠い感情だよ」という台詞があるが、まさにその通りだなと思う。実際に行きもせずに想像だけ膨らませて憧れても理解することは出来ない。良くない部分まで含めて把握しなければ。
ホテル
ホテルに帰ってきた。昨日存分に休んだのが功を奏したのか、全然疲れてないしまだまだ余力がある。今日はこまめにメモってたから夜に行う記事化の作業も楽だ。
ニュースでやっていたが、今日で御嶽山の噴火災害から7年が経つらしい。もうそんなに経つのか、時の流れが早すぎる。噴火ばかりはどうしようもないところがあるよなぁ…。
シャワーを浴びたいけど、そうすると身を清めた以上は外に出たくなくなる。蕎麦を食べたのが16時で、現在20時。何とも言えないお腹事情…。空腹で眠れなくなるのは困る。
明日の予定
明日は県庁と市役所に行ったら、そろそろ帰路につきますか。
長野からでもワイドビューしなので名古屋に向かってそこから新幹線で帰る方が東京経由より五千円くらい安いからそうする。安いだけじゃなく、これ以上新しい土地を通ると脳が情報を処理しきれないから。
つまりもう一度松本を通るのか。いや、多分降りないとは思うけど。