shougaの生き方模索雑記

日記、心の安定、長野移住、登山、etc…

備前焼陶芸体験に行ってきた感想

尾道に行って『備前陶芸工房』にて手びねりコースを体験してきた。

事前に「じゃらんnet」で5月28日14時~17時の予約を入れた。

朝10時頃に尾道に着いて、周辺をぶらぶら観光してたらちょうどいい時間になった。

www.jalan.net

 

 

体験内容

恐る恐る店に入るとおじさんが居た。挨拶らしい挨拶や開始の台詞とかもなく、何というかぬるっとした流れで体験が始まった。

受講者は自分一人だけでマンツーマンだったのでラッキーだった。ゆっくり指導とお話が出来た。

 

手ろくろ

ここでは電動ろくろは使わず、手で回す「手ろくろ」の上に粘土を乗せて回していくやり方のようだ。予約したのは「手びねりコース」とあったが私の想像する手びねりとは少し違っていて驚いた。手びねりというと粘土の輪っかを作ってそれを重ねていき、こすって繋ぎ合わせるのを想像していた。

それが今回行ったのは手でろくろを回す方式だった。手びねりにも色々あるらしい。電動ろくろでは、少し触っただけでにゅるにゅると形を変えるイメージだが、手ろくろでは水分の含有量が少ないらしく割としっかりとした手触りの粘土だった。

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今回作ったのは茶碗、湯呑、お皿。渡された1kgの粘土のうち、それぞれ450g、300g、250gくらいの割合。粘土は備前から取り寄せているらしい。備前の土は鉄分が多いのが特徴で、それが頑丈な理由の一つだとか。小学校で扱う粘土には油分が含まれているので時間が経っても乾いて硬くならないが、この粘土はどんどん乾いていくので使わない時は濡れた雑巾で包んでおく必要がある。

最初に作り方の説明を受けた後に、自分で作り始めた。何を作るかも迷ったが最初は基本的なものが良いと思って、とりあえず茶碗や湯呑にした。

 

作るのが難しい

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厚さを均等に伸ばしていくのが想像以上に難しかった。また、綺麗な円形にならずに歪んでしまう。ろくろを回すとその難易度が分かる。ぺたぺたと作業していくが、親指下の膨らんだ部分が軽く吊りそうになる。自分で触っては歪んで、直してもらって、歪んでの繰り返しだった。ちなみに上の写真も先生が手直ししたもの。

先生はガタガタのふち部分を凧糸みたいなもので切り取って、その粘土で輪っかを作って、それを乗せて繋ぎ合わせるやり方をしていた。

その後、水で濡らした後、指の他に動物の皮や木の道具を当てて表面や形を滑らかにして整えていった。

 

誰の作品?

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慣れた手つきでどんどんと形が良くなっていく。いやアドバイスや手助けとかじゃなくて、大半はあんたが作るんかい…と思った。自分は横でそれを見てるだけ。これ俺の作品じゃなくね…? 素人に任せてたら3時間という枠内に2つ3つの作品なんて作れないんだろうけどさ。

 

完成品

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手前から皿、湯呑み、茶碗。異様に出来が良い。先生が全部作ったんだからそれはそうなんだけど、正直つまんねえ…。これなら出来が悪いぐちゃぐちゃの物の方が良いよ…。

少し大きいように感じるけど、それくらいがちょうどいいらしい。乾いたり焼き締めると縮むから。

焼き上がるのは11月頃だそう。半年後って割と先のことだなぁ。茶碗を緋襷で、残り2つは普通に焼いてもらうように指定した。焼き上がった後は、直接引き取りに来るか郵送かを選ぶ。尾道は近いけど案外来ることが無いから訪れる用事が欲しいと思って、直接取りに行くと伝えた。

 

 

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他の受講者の作品。もう十何年も教室に通っている人もいるらしい。

 

 

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工房にある中ではこの2つが気に入ったので写真を撮った。けど改めて見ると別に欲しくはないなと思った。これだけ熟達した人の作品でも、焼物全体の中では備前焼って好きでも嫌いでもないポジションって気がする。

自分は焼物の外見に対して、「陶器なら釉薬の変化を、磁器なら絵付けの繊細さや色遣いを求めている」ことが分かった。そのため、焼締め(備前焼信楽焼のように釉薬をかけず高温で焼成した陶器のこと)はそんなに好きじゃないんだなということが分かった。

 

その後

陶芸体験を終えた後、向かいにある備前焼の販売店に入った。工房で作ったものをここで売っているようだ。奥さん?と少しお話した。陶芸体験を経てからそれらの作品を見ると、そのレベルの高さが分かる。本当に良い経験になったと思う。
小さめの湯呑と、ミニ花入を買った。店主さんも奥さんもとても気さくで良かった。

 

感想

ただやっぱり、自分の作品じゃないよなぁあれは…。部屋に置くにしても愛着持てないし邪魔なだけなんだけど。廃棄依頼するのも寂しいし、とりあえず引き取るだけ引き取るか…。

陶芸「体験」だとこれは普通なのかなぁ。自分で作りたいなら陶芸「教室」になるのか?

この先、紆余曲折あって仮に自分が陶芸家を目指すことを決断したとしても、数ある焼物の中から備前焼は選ばないな。焼締めの陶器は自分が求めるものとは違う。