福山市役所のすぐ近くにあるイタリアン。今日私は、最高の店を見つけてしまった。
店内の以下のお品書きが外にも置いてあり、『 ランチ1000円(サラダ・フォカッチャ・ドリンク付き) 』の文字が目を引いた。イタリアンランチは1200円~1800円という価格設定が多く、「もう少し内容が控えめで安い店って無いかな~」と思っていたので、お品書きを見てマジかよと思って入店した。
入店
中はお洒落で綺麗な内装だった。先客が2名いたこともあって、そちらにカメラを向けるのはちょっと失礼な感じがして店内の様子は撮影しなかった。というか先客が居なかったとしても料理店の内装ってパシャパシャ撮影しにくい感じがする。店員さんの見てない間にササッと撮る、みたいな…。
メニュー選択
ランチは4つのメニューからの選択式。パスタ3つの下の『若鶏とキャベツのビール煮』ってのが気になるけど、外した時が怖い。
そのため、安全策として大好きなトマトソースを注文。海老、オクラ、ズッキーニという具材も全部好きだ。私は「トマトソースを頼めばその店の実力や特徴が見えてくる」という持論を持っている(今思いついた)
オイルパスタはソースが全然パスタに絡んでなくて寂しいし、クリームパスタは重すぎるし胃もたれするし味が強過ぎて店ごとの特徴が分からない。その点、トマトソースはトマトというだけで旨味もソースに程よく絡むことも保証されていて、店ごとに内容が変わりやすいからだ。
ドリンクはアイスコーヒーを注文。以前別のところで飲んだ最高の水出しアイスコーヒーの味が忘れられなかった。飲んでみたところ、普通のアイスコーヒーだった。いや分かってるんよ、たった1000円の中でアイスコーヒーにまで意識やコストを割くのは到底不可能なんよ。ちょっと賭けてみたかっただけ。
これなら普通にアイスティーかグレープフルーツジュースの方が良かったかも。アイスコーヒーも頭すっきりしていいんだけどね。
「ドリンクはどのタイミングでお持ちしますか?」と聞かれた。迷ったけど、食前にした。以前イタリアンで食後にお願いしますと頼んだら、食後にドリンクが来ても今更感があったから。
ドリンク、サラダ
すぐにドリンクとサラダが来た。このサラダが初手から美味しかった。柔らかいレタスに甘い玉ねぎ。何より甘いドレッシングがたくさんかかってるのが良い。良いサラダとは即ちドレッシングが多くかけてあるサラダのことを指すからだ。
それにしても上品かつ掃除しやすそうで、しかも暖色系の食欲が増す良いランチョンマットだ。
フォカッチャ、パスタ
そんなに待つこともなくすぐにフォカッチャ(イタリア料理で提供される平たいパンのこと)が来た。食感はかなり柔らかく、仄かに塩気が付けられていて、噛むとパンの甘みがじんわり出てきて美味しい。2口くらい食べたところで、「あっこれパスタ食べ終わった後に残ったソース拭き取るやつやん」と気付いて食べるのをセーブできた。
フォカッチャと同時にパスタも来た。写真では普通くらいの量に見えるけど実際は結構量があって嬉しい。一瞬パスタの食べ方が分からなくなった。
「そういえばスプーンにフォークを付けてくるくる回して巻き取るのって、イタリアでは子供がやるものなんだっけ……いや、ここは日本だ!」という心境だった。
パスタは僅かに芯が残ってるコリコリした食感で、私の好みドストライクな茹で加減。
トマトソースも美味しい。どう表現すればいいのか分からないけど味は確かだ。
具材もゴロゴロ入ってて太っ腹すぎるだろ…。大きいエビが6~7尾くらい入ってる。ズッキーニも大きいのに食べやすい大きさで、シャクシャクとした食感が良いアクセント。オクラが大量にあってよく茹でられていてトロトロ。
量も少なすぎず多すぎずのちょうどいい量で、最後まで飽きることの無い奥行きのある味だった。もちろん最後はフォカッチャでソースを拭き取った。これもおいしい。
感想
この内容で1000円は半端ないとしか言えない。これまで訪れたイタリアンの中で、値段と内容のバランス、コスパが一番良いと感じた。
『クチネッタ ロッソ』は美味しいのは確かだけども1200円する割にはパスタの量と具材の大きさが物足りない。
『リストランテ 真田』もかなり美味しくてサービスが良いけど1500円もする。それにパスタの量がちょっと多すぎて途中で飽きてくる。人気すぎて予約なしの1人で入るには気後れするのもある。
それに対して、サラダ・フォカッチャ・ドリンク付きで1000円なのにその上パスタまで良いのをお出しされると、すごすぎて店の経営が不安になる。今日は客が少な目だっただけで、市役所近くの通りに面しているので平日昼はおそらく満員になっているから心配はいらないはずだけど。これからも訪れる予定なので末永く続いてほしい。
イタリアンランチの決定版が見つかって良かった。
心地よい喧噪
先客が2名いたけど、店内の耳ざわりの良い控えめな音楽と目の前の厨房の物音によってそのわずかに聞こえる会話も心地良い喧騒の一部と化している(静か目な2人だったというのもあるが)。店内に自分一人よりもむしろ寂しくないかもしれない。店内BGMの効果を実感した。
入店の経緯
実はこの店に入る前は、別の店でラーメンを食べようとしていた。直後に財布を家に忘れたことに気付いて引き返し、改めて家を出た時に「ラーメンという気分でもないな」と思って近くのこの店のランチ1000円というお品書きに惹かれて入店したという経緯だった。
あの時財布を忘れて家に引き返したのは手間だったけど、そのおかげでこの名店を見つけられたと思うと、忘れてよかったとも思った。