私たちの生活のすぐ傍に居るのに、知っていることは意外なほど少ない。
身近なのに遠い、それが鳥という生き物だ。
この本はそんな『鳥』について、
以下のような様々な観点から読者に分かりやすく面白く伝えている。
- 街のどんな場所の、どこを見れば見つけられるか
- 鳥の不思議な行動の意味について
- どんな方法で獲物を狩るのか
- 様々な求愛行動について
- 人工物も器用に活用する自由な巣作り
- 各鳥の鳴き声の種類と意味
- それぞれのくちばしの形状を人間の道具で例えると?
- 鳥が由来のことわざ
- 鳥見(バードウォッチング)のやり方、双眼鏡の選び方
- 巻末付録擬人化した鳥とのSOS解決漫画
特に好きなのは、以下の2つ。
「公園の池に生えるタケノコみたいな鳥」で紹介の、水中に頭を突っ込んでお尻を立てているカモ類:可愛い
ミサイルや魚雷のように魚を掴んで飛ぶミサゴ:何を思っているか分からない魚の絶妙な無表情が好き
なるほどなーと思ったのが、これらのページ。
「鳥が可愛く首をかしげる訳」
「雁の群れがV字になって飛んでいく合理性」
「雨が近くなるとツバメが低く飛ぶ理由」
改めて読み返した時に思ったのが、私は魚を捕る鳥が好きなんだな、ということ。
全体的にフォルムがスタイリッシュな印象を受ける。
魚は餌として大きく、反応速度が速く警戒心もあるので、狩りに見応えがある。
- 小さなカワセミは弾丸のように体を水中に突っ込んで小魚を捕る。
- 鵜は自分の頭の2倍ほどもある大きな魚を丸呑みにする。
- コサギは足で魚を茂みから追い出して捕ったり、波紋漁法を使いこなす。
- ササゴイやゴイサギは疑似餌を使って”待ち”型の狩りをする。
- ミサゴは海面付近の魚を、力強い足で鷲掴みにする。
ひとくちに魚を捕る魚といっても、その種類は様々で、とても面白いと思った。
巻末の漫画も良かった。スーツを着た天然イケメンのツバメさん、渋い色合いの和服を着た可愛らしいスズメさん等、擬人化デザインが超良かった。擬人化ものにハマる人の気持ちが分かった気がする…。
最後には鳥に干渉・救護する際の注意事項まで解説してあり、
この本を書いた一日一種さんは本当に鳥が好きな人なんだなと感嘆した。