『マンガでわかるLGBTQ+ 』感想 - shougaの生き方模索雑記

この本は「セクシュアリティやジェンダーについてのリアルな体験談を短編漫画で届けるWEBメディア編集部」である『パレットーク』が出版したもの。

知った切っ掛けは数年前、Twitterで「パレットーク」のバズったツイートが回ってきたことだった。この本が出るよりも前から、このアカウントの短編漫画はちらほら読んでいた。

2018年2月にアカウントが作られたようなので、発足したのは結構最近なのかな。

実際、世間でLGBTに関する話題が出る頻度が一気に増加したのもこの頃からが顕著だったように思う。

私は自分のことを「LGBTQ+ではない、100％異性愛者の男性」だと思っているので、彼らがどういう心境なのか真に理解することはできない。

また、私はLGBTの人達に対しては特に思うところは無い。ポジティブかネガティブどちらなのか、と言われればポジティブ側、応援したいという立場である。今の若者には割とこういう感覚の人は多いんじゃないだろうか。

「LGBTが何を意味するのかくらいは分かるけど詳しいことは何も知らない」という状態なので、理解をもっと深めたいなと思ってこの本を購入した。

基本的にはWEB上に公開されている漫画をまとめた内容で、その合間によくある質問への回答や、用語解説、編集長のコラム等が差し込まれている。

こんな感じの漫画が載っている。LGBTといったセクシュアリティだけでなく、ジェンダー問題を幅広く取り上げているのが良いなと思った。

1日に何度も大事な存在を「ないこと」にされそうになるレズビアンカップルの話 #パレットーク pic.twitter.com/wLgMLSalcc
— マンガでわかるLGBTQ+ 「パレットーク」 (@palettalk_) 2020年12月8日

婚姻は子どもを産んで育てるためにある、という主張にモヤモヤした話。 #パレットーク #結婚の自由をすべての人に pic.twitter.com/BxEtQlzjyn
— マンガでわかるLGBTQ+ 「パレットーク」 (@palettalk_) 2020年6月12日

「家事をするなんて情けない」と思われてしまう父#パレットーク pic.twitter.com/4WG9DAx9yh
— マンガでわかるLGBTQ+ 「パレットーク」 (@palettalk_) 2021年2月11日

短編漫画集なので、LGBTQ+の知識を体系立てて記載してあるわけではない。

そのため「もっと細かい分け方としてはどういう種類があるんだっけ」と思って調べたい時には不向きな本だなと感じた。

その代わり当事者の事例が生々しく描かれており、彼らの感情や周囲とのやり取り等がすごく分かりやすく描写されている。実際に今の社会でこんな風に苦しんでいる人がいるんだ、ということを直感的に理解できる良い本。シンプルかつ柔らかい絵柄と色によって、雰囲気が重くなりすぎないようになっている。

お堅い本ではどうしても表面的な理解となりやすく他人事のように捉えがちだと思うので、こういう切り口の本があるのはすごく良いことだなと思った。

毎回見て驚くのが、割合の高さ。「日本の人口の8.9%、11人に1人がLGBTQ+のいずれかに該当すると言われている」

……多くない？日本人口を1.25億人として、8.9%をかけると、1112.5万人。1000万人以上いることになる。ええ…本当なのかそれ？LGBT以外の「Q、＋」の人も相当な数いるのかもしれない。

普段生活していると当てはまる人は全然見当たらないように見える。でも実際は社会や周囲に受け入れる制度や雰囲気が無くて笑われたり否定されたり社会的に不利な立場に追い込まれることを恐れて打ち明けられないだけなんだ。

私が高校生だった10年代前半頃はLGBTという単語自体は聞いたことあるけど、まだまだ遠い世界の話って感じで特に大きく取り扱われることは少なかった記憶がある。それが10年代後半から徐々に認知度が高まっていった。

私が中学～高校の頃、友人達と「ホモかよ～！」みたいなネタでたまに盛り上がっていたけど、あの時実は傷付いてる人が居たのかもしれない。今は流石にそんな話は絶対にしないけども、やはり「自分はLGBTに理解のあるつもり」でいても実際は知らず知らずのうちに無神経な発言をして傷付けてしまっているのだろう。

そして信じがたいことに、社会に出た後も学生のようなホモネタで盛り上がる人の多い会社はたくさんあるらしい。

「自分はLGBT当事者じゃないから関係ないな～」と切り捨てるわけにはいかない、社会全体で取り組む問題だ。

数十年後には今議論されてる多様な性の議論も成熟してきて、色んな在り方が当たり前になっているんだろうな。未来の若者から見て「昔の時代ってそんな当たり前のことですら尊重されてなかったのかよ…ありえないだろ…」みたいな扱いをされる時代になるのかもしれない。

今はTwitterではなくインスタの方をフォローしている。Twitterだと心無いリプライが送られてたり、アカウントのRTやツイート再喝がタイムラインに出てきて邪魔なので。インスタなら1回見たらもう流れてこないしリプライも目立ちにくい。

また、ツイコミだと「いいね順」にソートできるので見易い。