shougaの生き方模索雑記

日記、心の安定、長野移住、登山、etc…

(見るのが)好きなゲーム① Jump King

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『Jump King』という高難易度の苦行ゲームについて書く。何故苦行かというと、石を積んでは崩してまたやり直すような苦行を味わうのが醍醐味となっているからだ。

ゆえに自分では絶対にプレイしたくないが、他の人がやっているのを見たり、雰囲気を味わったりするのは好きというポジションのものである。

 

概要

ストーリーは単純。ゲーム開始と同時に  ”Legend has it there is a smoking hot babe at the top…”  という文が毎回表示される。この「塔の頂上には超イケてる美女がいるらしいぜ…」という伝説を真に受けた男が、体1つで頂上を目指す物語。

 

 

操作

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その操作方法は至って単純で、「歩く」「ジャンプする」しかない。ジャンプキングという名前の通り、主にジャンプを使って足場から足場へ移動することで上まで登っていく。

このジャンプが曲者で、ボタンを押す長さによってジャンプの大きさ…つまり飛距離が変化する。その強弱の設定が異様に細かく、ジャンプの大きさが36段階も存在する。更に、それらの強弱は1フレーム単位で決定される(※1フレームとは1/60秒のこと)。

つまりたった0.6秒ボタンを押せば自動的に最大ジャンプとなってしまう。プレイヤーはこの0~0.6秒の中で自分が跳びたい大きさで跳べるようにボタンを押す長さの感覚を身に付けなくてはならない。

 

 

何が苦行なのか

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上で書いたように、このゲームで主人公を自分の思った通りにジャンプさせるのはとても難しい。にも関わらず、作中ではとても小さな足場が頻繁に登場する。そういった難しい足場に乗るためには「1桁/60秒」以内、時には「1/60秒ジャスト」というタイミングでボタンを離す必要がある。そんなこと、殆どの人間には不可能だ。

故に何度も何度もジャンプに失敗して先の足場に乗り損ね、ある程度下に落ちていくことになる。その落差がえげつないのだ。苦労して上まで登って行ったのに、1回ミスしただけで数画面分くらい落とされることになる。運が悪ければ9画面分くらい落ちることもある。

 

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この登っては落ちる繰り返しこそがこのゲームの核だけれど、それがあまりにも惨い。ボタン感覚を身に付けて段々上達していくので落ちても完全に無駄ではないはずだが、頑張って積み上げたものが崩れるのを何度も味わうのは精神衛生上とてもよろしくない。その上、ステージごとに様々な邪魔なギミックが出現してくる(風が吹いていたり、雪が積もって歩けなかったり、氷が張っていて滑る等)ので、プレイヤーは何度も落ちることになるだろう。
更に絶望的なのはこのゲームがオートセーブ方式であること。つまり「いったんセーブしといて失敗したらロードしてやり直そう」というやり方は不可能。落ちたらそこで進行状況がセーブされるため、ゲームを終了して再起動してもまたそこからやり直しなのだ。

 

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事実、開発会社のNEXILEは「忍耐力を必要とする」「怒りをコントロールする練習になる」というコメントを残している。ちなみにこのゲームを作ったNEXILEはスウェーデンの会社で、そう言われると雪や氷、植生や教会の雰囲気やヒロインの外見など、北欧っぽさを感じ取れて面白い。

 

 

良いところ

このゲームにも良いところは複数ある。まずは苦行だからこそクリア時に達成感があること。このゲームに毒されてしまったのか狂ったように続ける人までいるくらいだ。

ドットグラフィックが素晴らしく綺麗なこと。何層もの奥行きのある緻密なドット絵にはもはや執念すら感じる。今の時代にこんな上質なドット絵をゲーム全体通して見られるゲームはそう多くない。何度も見ることになるからか、1画面ごとにしっかり作り込んであり画面の連続性を感じられる。光の表現などもすごく丁寧だ。ドット絵を打った人もすごいが、こういう背景にしようと設計した背景美術の人もすごい。

BGMが良いこと。基本的には静かな環境音や耳障りの良い柔らかな曲が多い。

 

以下の動画は開発会社が全公開しているJumpKingのBGMリストの1つ。


www.youtube.com

最後の塔のBGMは一転して無駄に壮大で緊張感を煽ってくるのが憎らしい。美女伝説を信じた夢見がちな男が塔に登ってるだけなのに、神話世界のような雰囲気を出すな。特に1分31秒辺りから。

 

 

追加ステージ

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通常クリア後には、また別の姫に会うために追加ステージの塔に登る。節操がない気がする。

 

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その追加ステージもクリアすると、今度は美女の幽霊の伝説を確かめるために3つ目の塔を登る。もはや何も言うまい。こいつはそういう男であり、最早狂人の類なんだ。相手がどういう存在であろうと美女であれば問題ないんだろう。

 

RTA(speedrun)

このゲームにも「RTA」(real time attack)というゲーム開始からクリアまでのタイムの短さを追求する、つまり最短記録の競い合いがある。私はそのRTAを見るのが好きだが、その中でもこの『JumpKing』は世界記録なら各ステージ4分~5分半でクリアされている短いゲームだ。人によってはクリアに数十時間を要するゲームが、サクサクと効率よく登られていくのを見るとすごく爽快感があって好きなのだ。進みが速いのでBGMや場面がコロコロ変わっていくのが面白い。効率性の追求というのは本当にそれ自体に美しさがあると思う。

 

 

おわりに

私はゲームBGMを頻繁に聞くが、このJump Kingの曲は結構好きで、後述の追加ステージ2面3面の曲も含めて頻繁に聴いている。長時間聴いても疲れず、気分が落ち着く。

記事タイトルに見るのが好きと書いたが、このゲームはずっと見ていると飽きて来るのでラジオ感覚で音だけ聞いてPC画面では他のものを見ていることも多い。BGMだけでなく、JumpKingがジャンプして着地する音が妙に心地よく中毒性がある。

ここまで色々と書いたが、結論としてはこんな苦行ゲームを真面目にやっていると頭がおかしくなると思うので、やはり見るだけに留めておくのが正解だ。